TJARという大会を、ご存じでしょうか。
富山湾から駿河湾まで、日本アルプスを縦断して走る約415キロのレースです。制限時間は8日間。サポートはつきません。食料も装備も自分で背負って、寝る場所も自分で決めて、山の中を進み続けます。
日本でいちばん過酷なレースだと言われています。
そのゴールを、見に行ってきました。
もともと、少しだけ知っていました
前から、トレイルランニングをやってみたいと思っていました。
朝ランを続けているうちに、いつか山も走ってみたいという気持ちが出てきたんです。
よく行くスポーツショップがこの大会に協賛しているので、TJARという名前は知っていました。すごいレースがあるんだな、くらいの認識でしたが。
今年は開催中だと知って、ゴールを見に行くことにしました。
浜辺に、帆が1枚
着いてみて、正直、驚きました。
ゴールが、想像していたよりずっと質素だったんです。
浜辺に細い支柱が立っていて、そこに帆のような布が1枚張ってある。それだけです。派手なゲートがあるわけでもありません。
少し離れたところにインタビュー用の席は用意されていましたが、ゴールそのものは、本当に簡素でした。

日本一過酷と言われるレースの終点が、これなのか、と思いました。
でも、しばらく眺めているうちに、考えが変わってきました。
7日間、限界を超えて山を越えてきた人が、最後にたどり着く場所です。立派な装飾は、たぶん必要ないんだと思います。むしろ、この質素さのほうが似合っている気がしました。
おじさん、おばさんと10人ほどで
私が行ったのは、選手のゴールとは重ならない時間帯でした。
選手が到着するときには、応援の人が大勢詰めかけるそうです。YouTubeでライブ中継もされています。
でもそのときは、おじさんおばさんが10人ほど。みんな同じように、帆の写真を撮っていました。
「すごいね」
「かっこいいね」
「今、何人ゴールしたんですか」
そんな話をしながら、私も1枚撮ってきました。
知らない人と、知らない人の話で盛り上がる。あの時間も、なかなか良かったです。
53歳、火がつきました

帰り道に考えていたのは、選手たちのことでした。
7日間、自分の足だけで山を越えてくる。誰かに頼らず、途中でやめる自由もあるのに、やめなかった人たちです。
その姿を見て、思ってしまったんです。
私も、自分のためにもう一度打ち込めるものが欲しい。
53歳です。子どもたちは、それぞれ新しい道を歩き始めました。仕事はあります。投資も続けています。でも、それとは別に、自分の体を使って打ち込めるものが欲しくなりました。
TJARに出たいという話ではありません。あれは別世界です。
ただ、山を走ってみたい。その気持ちが、はっきりしました。
まず、体重を落とすところから
とはいえ、いきなり山には行けません。
続けるためには、まず体を軽くする必要があります。膝にも負担がかかりますし、いまの体重のままでは無理があります。
というわけで、本屋に行きました。
買ったのは、おいしく食べて痩せるためのおかずの本です。食べないダイエットは、私には続きません。これまでも続きませんでした。だから、作って食べる方向でやってみようと思います。
材料は、もう買ってきました。これから作ります。
うまくいくかは分かりませんが
三日坊主で終わる可能性も、正直あります。朝ランだって、サボる日はいくらでもあります。
それでも、53歳で「何かをやりたい」と思えたことが、自分でも少し嬉しいです。
浜辺の帆を見に行っただけのつもりが、思わぬ置き土産をもらってしまいました。
また報告しますね。



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