7月に、息子が20歳になりました。
せっかくの節目です。「誕生日、何か欲しいものある?」と聞いてみました。
返ってきた答えは、「今は特にない」。
……あっさりしたものです。
それでも母は、いろいろ考えました。せっかくの20歳です。長く使えるいいモノを贈りたい。万年筆はどうだろう。革の小物は。
でも、勉強が得意ではないあの子が万年筆を使う姿は、どうしても想像できませんでした。時計は好きじゃない子です。スーツは成人式のときに、別で新調する予定があります。
悩んでいるうちに、ふと思ったのです。
そのうち欲しいものができた頃には、私のほうに贈る資金がないかもしれない。贈るなら、今。
そして思い出しました。息子はまだ、NISAを始めていません。
モノではなく、投資資金を贈ることにしました。正確に言うと、「複利の時間」を贈ることにしたのです。
休日に帰省してきたので、息子名義の証券口座にログインしてもらいました。50万円で、インデックスファンドを買う。それだけのことです。
「やり方がわからないから、お母さんやって」
「一緒にやろう」
画面を二人でのぞき込みながら、ポチポチと。
20歳になっても、初めてのことは「お母さんやって」。……それはそれでどうなの、と苦笑いしてしまいましたが。まあ、母と並んで画面をのぞく日なんて、この先そう何度もない気がして、ちょっとだけ得した気分にもなりました。あと10年もしたら、横にぴったり並んでポチポチなんて、きっとしてくれません。
なぜ50万円だったのか。10万円でもよかったのです。5万円×12ヶ月で60万円、とも考えました。
娘には進学などで、まとまったお金を使ってきました。大学に行かなかった息子には、そこまでの資金を使っていません。今は正社員として働いて、自分のお給料もある。だから節目に、キリよく50万円。母なりの配分です。
「複利の力を実感してほしいから、15年はほったらかしにしときなさい」
そう声をかけると、「多分、手をつけない」と言っていました。
これでいい、とホッとしました。
やっと20歳。肩の荷が、少し降りた気がします。
万年筆は、使われなければ棚の飾りになってしまいます。投資したお金は目に見えないけれど、時間が育ててくれます。
15年後、35歳になったあの子がこの口座をのぞく日を、母は楽しみにしています。
私自身のお金の再出発の話は、こちらに書いています。

※この記事は私の家庭の記録であり、特定の商品や投資手法をおすすめするものではありません。投資は自己判断・自己責任でお願いします。


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